自費出版・流通出版・執筆のことなら文芸社へ

自費出版・流通出版は気軽にSite執筆・出版の応援ひろば
よむ人からかく人へ。ここは表現する人を応援する著者のための『ひろば』です。ご相談・お問い合わせは…「なんでも相談室」へ

執筆・創作・自費出版・流通出版のことなら【気軽にSite 執筆・出版の応援ひろば】トップへ > 書く歩く(第41回 『座右の銘−①』)

書く歩く(第41回 『座右の銘−①』)


第41回 『座右の銘−①』

 西新宿にある旅行会社のカルチャー教室で文章講座を開講していることは、以前にも書いた。その参加者の方々主催により、「新年会」と「暑気払い」と称して、半年にいちど酒宴が開かれる。
 それぞれが勝手気ままに歓談しながら美酒佳肴(びしゅかこう)を楽しむのもよいのだけれど、僕はいつもなにかお題を設けて、皆さんに一言ずつお話ししていただくことにしている。まあ、話すエッセイとでもいったところであろうか。
 先頃、ちょっと遅い新年会があった。で、今回のテーマは「座右の銘」。「全力投球」と「直球勝負」をいましめの言葉とする先発完投型のような方、「いつもロマンチックを胸に」と心に留め置く方、ある方にいたっては、「オレは知らない、聞いてない」が、現役の会社員時代のモットーだったとか。その言葉が、なぜ座右の銘となったのかを、エピソードを交えて語っていただいた。
 もちろん、順番は僕にも回って来る。で、僕のは「固さは気負い やらかさは自信」だ。
 毎週末、近所の整体院に行く。特に悪いところがあって治療のためというより、各部位のメンテナンスの意味で通っている。効果があってか、毎年季節の変わり目に発症する口唇ヘルペスが、このところ鳴りを潜めている。
 疲労が蓄積され免疫力が落ちた時、僕の場合は決まって下唇の左端に出現する。あれは、煩わしいんだよね。幼い頃は、風邪を引いたりするとよく出て、「風邪熱」と母親が呼んでたものだ。「風邪の華」とか「熱の華」と呼ぶ人もいるようだ。
 いや、話が逸れた。で、僕の通う整体院であるが、待合室に講談社のコミックス『バガボンド』がずらりと揃っていることを言いたかったのだ。これにハマって、治療の予約時間よりも早く出かけて行っては、むさぼり読んでいた。
 吉川英治『宮本武蔵』を原作とした井上雄彦の青年漫画だけれど、佐々木小次郎を聾者にするなど、原著を換骨奪胎(かんこつだったい)している。

(つづく)
←前回へ | 
次回へ→


上野 歩(うえの・あゆむ)

1962年東京生まれ。作家。『恋人といっしょになるでしょう』(集英社)で小説すばる新人賞受賞。文芸社にて執筆アドバイザーを務める。新感覚サイコミステリー『鳴物師 音無ゆかり 事件ファイル』を文芸社より刊行。
公式HP《上野亭かきあげ丼》
http://www.uenotei.com



バックナンバー