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書く歩く(第59回 分かりにくい?)


第59回 分かりにくい?

 年末になると歌謡番組が増える。
「あなたの青春時代……ひばり百恵ピンクから聖子明菜にAKBまでプリプリにドリカムも植木さだジュリーからサザン福山ミスチル……いきものにコブクロも」―― これ、新聞番組表の内容紹介である。限られた文字数内で、より多くの情報を伝えようと腐心しているのがうかがえる。
 読点がいっさい使われていないにもかかわらず、登場するアーティスト名が分かるところがスゴイ。「ひばり」=「美空ひばり」、「百恵」=「山口百恵」、「ピンク」=「ピンク・レディー」、「聖子」=「松田聖子」、「明菜」=「中森明菜」、「AKB」=「AKB48」、「プリプリ」=「プリンセス・プリンセス」、「ドリカム」=「DREAMS COME TRUE(ドリームズ・カム・トゥルー)」。「植木さだジュリー」は「植木等」「さだまさし」「沢田研二」である。「植木」の次に「さだ」とひらがなを挟むところに技を感じる。
 そういえば前回「手ぶらの男−②」で、「30代の男性に“ショーケン”と言っても分からずショックを受けた」と書いたけれど、30代の女性に「ジュリー」と言っても分からなかった。ついでに書くと、僕の生まれた年に植木等が『スーダラ節』をヒットさせ、父がそれにあやかって僕を「等」と命名しようとした。だが、母の猛反対にあってボツになったそうだ。
 さて、ここで僕が注目したいのは「いきもの」である。「いきものがかり」であるが、今はこういうのを音楽グループの名前にするわけである。「コブクロ」も「スキマスイッチ」も、かつてはフォークデュオやユニット名にはならなかっただろう。
 思えば昔は、鶴岡雅義と東京ロマンチカとか、内山田洋とクールファイブとか、分かりやすい名前がついてたものだ。
 いや、待てよ。あの頃、子どもながらに、東京ロマンチカはメインボーカルが鶴岡雅義だと思ってたし、クール・ファイブも歌ってるのが内山田洋だと信じてたのだ。ところが後に、それぞれのボーカルは三条正人と前川清だということを知った。鶴岡雅義も内山田洋もギャラの分配を取り仕切るリーダーだったわけで、そうなるとやっぱりこちらも分かりにくい?
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上野 歩(うえの・あゆむ)

1962年東京生まれ。作家。『恋人といっしょになるでしょう』(集英社)で小説すばる新人賞受賞。文芸社にて執筆アドバイザーを務める。新感覚サイコミステリー『鳴物師 音無ゆかり 事件ファイル』を文芸社より刊行。
公式HP《上野亭かきあげ丼》
http://www.uenotei.com



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