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書いた人のわ(『「だちょう」を出版して』 いけもとたまき)

『「だちょう」を出版して』 いけもとたまき
 脳梁欠損という脳に重い障害を持つ、小嶋桂介君(桂ちゃん)の家庭教師をして、八年になります。桂ちゃんは現在、県立養護学校高等部二年生です。
 桂ちゃんが学校から帰ったあと、散歩、自転車乗り、プール、文字の練習、お絵描き、書道(お正月の書き初め)等一緒にいろいろな事に挑戦してきた中で、車で十分ぐらいの所にあった「だちょう園」にだちょうを見に行き、図書館で「とり」の図鑑を借り、それを見て、だちょうを描く事が出来るようになりました。覚えた文字で「だちょう」と「けいすけ」の名前も書きました。

 私は長年子供に関わる仕事をしていますので、絵本にふれる機会も多く、いつか私も絵本を書きたい!と思っていました。
 又桂ちゃんは重度の障害がある為、近所の人からも「桂ちゃん、字書けるの?」と聞かれおばあさんは随分辛い、口惜しい思いをしていました。(桂ちゃんのお母さんはいません)私は桂ちゃんが、少しづつ、少しづつ長い時間の積み重ねで、文字も書け、絵も描けるようになった事を形に表わしたい、と思い、絵本「だちょう」を出版しました。
 重度の障害があり、会話も出来ない桂ちゃんが描いただちょうと私の描いただちょうを交互に描いただちょうの絵本を出版するという事に、私は自己満足ではないのか?私の驕りではないのか?と悩み続けていました。素人の私が絵本を出版し、世に出す、という事は大変な事です。誰にも話さず進めました。
 費用が要りますので主人に話しましたら、スポンサーを快諾してくれました。

 二〇〇六年十二月、出来上がった絵本を手にした感動は忘れる事が出来ません。
 桂ちゃんとは絵本が出来上がったら、入れてプレゼントにする袋を半年ぐらい前から包装紙を切りセロテープで貼った袋に、プレゼントする人の名前とありがとう、けいすけと書き用意していました。年末仕事から帰ったお父さんに、桂ちゃんからのプレゼントです。と渡たしました。袋から絵本を出したお父さんの驚きと感激、喜び…目から涙があふれました。それから「だちょう」はあちこちにはばたき、人々に感動を与えました。

 朝日新聞、中日新聞にも二人の写真と共に掲載していただきました。友人や知人、息子の結婚式に来て下さった方々にもプレゼントしましたので、遠くフィンランド、スペイン、アメリカ、インドネシア、韓国の方にも見ていただきました。出版を知らずに亡くなったおばあさんは天国にまで持って行ってくれました。脳の中で右と左をつなぐパイプが無いという重い障害を持つ桂ちゃんですが、コツコツと毎日の積み重ねでいろいろな事が不可能から可能になる事の喜び、このだちょうの出版が桂ちゃんとお父さんの生活の励みになる事を祈っています。

こじまけいすけ/いけもとたまき
●こじまけいすけ
1992年滋賀県甲賀市出身
滋賀県立三雲養護学校高等部1年在学

●いけもとたまき
1949年滋賀県甲賀市出身
けいちゃんの家庭教師

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