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書いた人のわ(『芝桜忌 ―元気になれなくて、ごめんね』 二宮愼二)

『芝桜忌 ―元気になれなくて、ごめんね』 二宮愼二
 世の中の大半の亭主族(もちろん私もそうであるが)は、食事を造ることも
掃除洗濯など家事全般は妻がするものと思っている。たまに気が向けば、休日の買い物に付き合うことがあるが、そんなときは、「やっぱり儂が居ないと困るだろう」と恩着けがましく言う。

 その妻が癌に冒されていた。しかも、それが判ったときは既に末期であった。

 今まで妻を蔑ろにしてきた罰と深く反省し、妻のために全力を傾ける覚悟をした。妻も家のことが一切できない私に「申し訳ない」という気持ちも強かったようで、「食事は摂っている?何を食べた?」と、私の身体をいつも気遣ってくれた。何十年も夫婦であったのに、妻が病気になって初めて夫婦であることに気付かされた。

 入院−抗癌剤治療−12時間におよぶ手術−退院−再発−抗癌剤治療と1年4ヶ月の間は想像を絶する出来事ばかりであった。

 しかし、その短い間は辛いことばかりではなかった。我が家の猫2匹と一緒に家の近くを散歩したり、日帰りであるが県北に蕎麦を食べに行ったり、高知の桂浜に太平洋も見に行った。妻は無邪気に喜んでくれた。私も幸せなひとときを過ごせた。このような日々がいつまでも続くことを心の中で願った。

 私の一人息子は神戸で所帯を持ち、孫は二人いる。下の孫は、妻の病気が判ったときは、1歳になったばかりであった。孫が大きくなった時、岡山にこんなおばあちゃんが居たことは覚えていないだろう。

 その孫達の為にも、妻と過ごした1年4ヶ月を出来るだけ克明に書き残すことを思いつき、日記もメモも付けていなかった為、忘れないうちにと葬儀が終わった後、約1年掛けて書き上げたのが、この本である。

 妻が大切に育てていた芝桜が満開となった4月29日に妻は旅立ったので、
文芸社の担当者とも相談し、タイトルは「芝桜忌」とした。
 永年お会いする事もなかった人から「涙・涙で読みました」とか、全く見知らぬ方から、新聞に出ていたので書店で買い求め読んだが「感動しました」という連絡も数多く頂いた。

 妻はこの本をどう思っているかわからないが、私は妻と過ごせた1年4ヶ月が本当の夫婦であったと思い、この本を出版できたことを誇りに思っている。

二宮愼二(にのみやしんじ)
1946年、岡山市生まれ。
岡山県立岡山東商業高等学校卒業。
主に民間会社の営業職に携わり、課長職、部長職を経験した後、ガラス・サッシの卸売、工事業会社の役員及び系列会社の代表取締役を歴任。
1998年11月、行政書士の資格取得のため、同社を退職し郵便局非常勤職員。
2002年3月、行政書士・経営管理事務所を開設。
現在、二宮愼二行政書士・経営管理事務所所長。
玉野市生涯学習推進本部(事務局・玉野市教育委員会)主催の「まちづくり出前講座」で生涯学習ボランティアとして講演を行っている。
2007年11月、岡山県教育長賞(生涯学習)を受賞。
著書に『行政書士 合格するためのマスターノート』(2003年4月文芸社刊)がある。
資格:行政書士、宅地建物取引主任、経営労務コンサルタント、生涯学習1級インストラクター。

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