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執筆虎の巻(ポエム篇/第一回 『詩的に表現するためにはどうすれば?』)

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 今回からは詩の創作術についての話をしてゆこうと思うが、これまでとは少し趣向を変えて、皆に課題を出すところからはじめてみようかの。

 まずは、下の3つの文章を読んでみて欲しい。それぞれ「花」「炭酸飲料」「カレンダー」の単語を使い、初恋について表現したものじゃ。

① 花のような初恋の思い出は麗しく、胸の奥で密やかな微香を漂わせている。
② 初恋は炭酸飲料のように爽やかだけれど、ほんの少し刺激もあって痛くて切ない。
③ 去年のカレンダーのごとく、初恋はあっけなく用済みになったのだった。

 さて、次に、皆にも文章を作ってもらいたい。「花」「炭酸飲料」「カレンダー」のうち、いずれかを選んで初恋について表現してみるのじゃ。


 出来たかのぉ?
 それでは皆に質問じゃ。上の3つの文章は、いずれもキーワードを「初恋」の比喩として使っておるが、「詩的な表現」というよりも、「散文的な表現」という印象を受ける。詩の一節というよりも、小説やエッセイの中の一文という感じがするのではないかな。なぜじゃろう。その理由は、3つの比喩に共通することに気付けば、自ずと見えてくるのじゃが、わかるじゃろうか……?

 これらに共通するもの……それは直喩(「〜のような」「〜のごとく」)を使っているということなんじゃ。直喩を使った文章の場合、説明的、散文的な印象となる傾向がある。そこでちょっと①の例をアレンジしてみようかのう。

「初恋の思い出は胸の奥で密やかな微香を漂わせている。それは私だけが知る花の残り香」

 この文でも、「初恋」を「花」に喩えていることは同じなわけじゃが、元の文章よりはだいぶ詩的な表現に近づいた感じがするじゃろう。「私だけが知る花」としたことで、打ち明けられなかった恋であったことも暗示しているわけじゃ。このように、「〜のような」などの形を使わずに表現する方法を隠喩というんじゃ。こうした比喩の手法を上手く使うことで、表現の幅は広がってくるはずじゃ。

 ところで、皆が作った文章では、どうじゃったかな? もちろん、詩作において絶対に正しい方法などないから、直喩を使ってはならないわけでもない。じゃが、“何を表現するか”と同時に“いかに表現するか”について考え、工夫することで、テーマやメッセージを強いインパクトで読者に伝えられるということを心に留めておくといいじゃろう。そしてその工夫のために、直喩を使わずに表現することは有効な練習のひとつなのじゃ。

 ちなみに、「花」「炭酸飲料」「カレンダー」のうち、「花」を選んだ人が多いんじゃなかろうか。「初恋」と「花」は何となくイメージとして結びつきやすいからのぉ。じゃが、表現の道は甘くはないぞ。敢えて困難に立ち向かって、頭を抱えながら、しぼり出すように表現する、というチャレンジ精神と粘り強さも大切なのじゃ。肝に銘じておくのじゃぞ。

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