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執筆虎の巻(描写にチャレンジしてみよう/第一回 『風景描写をうまく書くには?』)

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「風景描写」
大阪府 アルバイト 29歳
小説を書いているのですが、いつも風景描写で悩んでうまく進みません。風景描写をうまく書くコツがあれば教えてください。

 風景描写といっても、目に見える景色やイメージをそのまま描いてもダメじゃ。どんなに具体的に、綿密に描いても、写真の表現力には勝てんじゃろ。重要なのは、“何を描写するか”ではなく、“どのように描写するか”ということなんじゃな。

 ここで下の文章を見て欲しい。これは夏目漱石の「倫敦塔」の一部じゃ。

「この倫敦(ロンドン)塔を塔橋(とうきょう)の上からテームス河を隔てて眼の前に望んだとき、余は今の人かはた古(いにし)えの人かと思うまで我を忘れて余念もなく眺め入った。冬の初めとはいいながら物静かな日である。空は灰汁桶(あくおけ)を掻(か)き交ぜたような色をして低く塔の上に垂(た)れ懸(かか)っている。壁土を溶(とか)し込んだように見ゆるテームスの流れは波も立てず音もせず無理矢理に動いているかと思われる。」(『漱石文学全集(2)』伊藤整・荒正人編 集英社 1982年)

「灰汁桶を掻き交ぜたような色」「壁土を溶かし込んだように見ゆる」といった表現をぜひ参考にして欲しい。どことなく侘しい空模様、悠然と流れる濁った川が浮かび上がってくるじゃろう。「灰汁」「壁土」のイメージ、匂い、感触が、不気味なほどに「物静かな日」の様子を濃密に伝えていると言ってもいい。

 目に映るものだけが風景ではない。例えば海を眺めるとき、わしたちは同時に波音や潮の香り、塩気、海風の肌触りを感じておる。これらすべてが風景を作り出しておるのじゃ。風景描写では、視覚イメージだけでなく、さまざまな感覚がとらえるイメージを描くことが重要だということを忘れてはならんぞ。

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