自費出版・流通出版・執筆のことなら文芸社へ

自費出版・流通出版は気軽にSite執筆・出版の応援ひろば
よむ人からかく人へ。ここは表現する人を応援する著者のための『ひろば』です。ご相談・お問い合わせは…「なんでも相談室」へ

執筆・創作・自費出版・流通出版のことなら【気軽にSite 執筆・出版の応援ひろば】トップへ > 執筆虎の巻(描写にチャレンジしてみよう/第三回 『目に見えない内面を描き出すコツとは?』)

執筆虎の巻(描写にチャレンジしてみよう/第三回 『目に見えない内面を描き出すコツとは?』)

"
「心理描写」
香川県 高校生 18歳
登場人物の内面を描こうとすると、だらだらとした独り言のようになってしまいます。どうすれば良いのでしょうか。

 登場人物の心理の動き、意識の内面を描くことを心理描写というのじゃが、今回は早速、芥川龍之介の『鼻』の一部を引用してみようと思う。

「――人間の心には互に矛盾(むじゅん)した二つの感情がある。勿論、誰でも他人の不幸に同情しない者はない。所がその人がその不幸を、どうにかして切りぬける事が出来ると、今度はこっちで何となく物足りないような心もちがする。少し誇張して云えば、もう一度その人を、同じ不幸に陥(おとしい)れて見たいような気にさえなる。そうしていつの間にか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対して抱くような事になる。――内供が、理由を知らないながらも、何となく不快に思ったのは、池の尾の僧俗の態度に、この傍観者の利己主義をそれとなく感づいたからにほかならない。」
(『芥川龍之介全集1』筑摩書房 1986年)


『鼻』は、18cmもの滑稽な鼻を持つ高僧「内供」の苦悩に関する話が描かれた作品じゃが、「内供」がその苦悩をだらだらと吐露するわけではない。
 人間の心理が「客観的に」「的確に」「簡潔に」描写されているところがポイントじゃ。

 また、滑稽な鼻を持つ「内供」の苦悩 → 治療して普通の鼻になった「内供」の喜び → 周囲の反応に対する「内供」の苛立ち → 滑稽な鼻に戻った「内供」の喜び、と話がテンポよく展開する作品じゃが、人間の心理がしっかりと表現されておる点が素晴らしい。

 一人称(「僕」「私」など)の主人公による内面の吐露は、退屈な独り言になりがちじゃ。まずは三人称によって「客観的」な心理描写にチャレンジしてみると良いじゃろう。

"



バックナンバー


文芸社の気軽にSiteへお越しの方へ
【気軽にSite執筆・出版の応援ひろば】では自費出版・流通出版のご相談を随時受付けています。また出版だけではなく執筆・創作のヒント、きっかけになる情報の提供もしております。文芸社の気軽にSiteでは書きたい人、これから執筆・出版に挑戦したい人の活動を本気で応援しています。