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執筆虎の巻(「作品講評」篇/第一回 『絵本創作におけるポイント』)

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「作品講評1」
 
これまで、執筆・創作におけるアドバイスをしてきたわけじゃが、今回からは具体的に作品を取り上げて、ポイントやコツをまとめてゆこう。第一回は『おばあさんのおしごと』(さく・え えみきみえ)じゃ。

 主人公は寒い国の山奥に住むおばあさん。いかにも牧歌的な暮らしかと思いきや、冬になると俄然忙しくなるという。おばあさんのお仕事とは?……という楽しいクリスマス・ストーリーなのじゃが、この作品の魅力は、以下の三点。

 まず話が面白い。冒頭、おばあさんの元に大きな郵便袋いっぱいの手紙が届く。次のページで、それが世界中から届いたと分かる。さらに、この家にはたくさんの電話回線が引いてあって、ひっきりなしに鳴っている。ここまでで読者は、「山の中の一軒家なのに?」「おばあさんなのに?」と、疑問を抱くはずじゃ。謎を散りばめることで読み手の興味を持続させ、自然とその先を読みたいという気持ちにさせている。

 次に、キャラクター設定。クリスマスといえばサンタクロース。だがここでは、その奥さんにスポットを当てておる。いわば発想の転換なのだが、成功のポイントはそれだけではないんじゃ。おばあさんは仕事をテキパキとこなすが、同時に優しい人柄であることが読み取れる。中盤以降では、おじいさん(サンタクロース)との仲睦まじい様子も伝わってくる。つまり、主人公として読み手を惹きつけるキャラが立っているということじゃな。

 そして、絵本では挿絵も重要じゃ。作者の絵は、柔らかなタッチがほのぼのとした雰囲気の話とよく合っている。おばあさんのお茶目なところ、サンタクロースの大らかさも表現されておるし、構図に変化があるのもいい。画面の小物にも注目したい。おばあさんが編み物をする場面で、壁に不思議な形のものが掛かっておるんじゃが、これはトナカイの角のカバーで、橇が出発する場面でそれと分かる仕掛けになっておる。このように絵そのものに楽しみがあるというのは大きな長所なのじゃ。

 絵本では、子どもに分かるような易しい表現が必要なのは言うまでもない。しかし、簡単に説明すればよいというものでもないのじゃ。実はこの作品の中には「サンタクロース」という言葉は一度も出てこない。それでも、「サンタさんに書いた手紙はどうなるの?」「サンタさんって結婚してるの?」といった子どもの疑問にちゃんと応える内容となっておる。このあたり、大人が読んでも面白く感じる要因と言えるじゃろう。

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