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執筆虎の巻(「作品講評」篇/第五回 『体験談執筆におけるポイント』)

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「作品講評5」
 
今回は「自分の体験を書くこと」について考えてみたい。実際に自分に起きたことがテーマとなるため書きやすいと思いがちじゃが、本当にそうじゃろうか。
取り上げる作品は『すてきな世界の愛言葉』(作・兼氏浩子)じゃ。体験談が「作品」として成り立つポイントを学んでみよう。

著者は、看護師として、また二人の子供のお母さんとして忙しい日々を送っていた33歳の時、病気で車椅子の生活となった。ある朝突然、足の感覚が失われて動かなくなったという。さぞかし悲痛な手記と思うだろう? ところが、車椅子に乗るまでの苦しみは正味10ページ位しか書かれていない。目が悪ければメガネを掛ける、それと同じように「足が悪いから車椅子に乗るだけ」。そうして始まった「車椅子が普通」という生活の中での体験が本書のポイントじゃ。

車椅子を使う人の目線で見た現実社会、暮らしの中の不便さなどが具体的に描かれており、「にせバリアフリー」に対して疑問も投げかけておるのじゃが、その語り口に気負ったところはない。健常者が気付きにくい問題を、自分の体験を通して、また客観的な視点で記しておるのじゃ。
体験談をそのまま書けば形にはなる。日記としてはそれで十分じゃろう。しかし、誰かに読んでもらう「作品」となるとそうはいかない。書き手が体験した出来事、状況、背景が読者にも理解できるように書くこと、そして、書き手だけの特殊な体験に留まらないように書くことが大切じゃ。そのために必要なのが、「自分を見る自分」という客観的な視点なのじゃ。本書は、車椅子で生活しながら社会に生きる自分を客観的に見つめることによって、読者の共感を誘ったり、バリアフリーに関する問題意識を喚起したりする「作品」に仕上がっているということじゃな。

諸君も体験したことを書いたら是非一度、読者になったつもりで見直すようにしてほしい。自分自身、その中での発見や気付いた点、反省点はなかっただろうか。そこには読者と共有できる何かがあるかもしれない。社会問題を扱ってなくても良いのじゃ。人の心に響くような何かがあるものこそ「作品」として認められる、ということを忘れてはならんぞ。

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