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執筆虎の巻(「作品講評」篇/第六回 『文体について考えよう』)

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「作品講評6」
 
今回、取り上げる作品は『気付きの子育てQ&A』(作・安部利一)じゃ。著者は30年以上にわたって児童相談所に勤務され、今もスクールカウンセラーとして児童生徒の悩みと向き合っておられる。この本は、保護者から寄せられる様々な相談に対する親身な回答をまとめたものじゃ。今回は文体について考えてみよう。

相談事例は赤ちゃんの夜泣きから思春期の反抗まで実に幅広い。相談者の切実な訴えに対して、著者はまず「本当に大変ですね」「なかなか難しい問題ですね」と相槌を打つように応えている。次に「○○ちゃんの今の様子は……」など、事実関係の確認を通して問題の所在を明らかにし、教育学や心理学の観点から丁寧な解説を交えながら、現実的で実践的な対処法をアドバイスしている。

注目したいのは、「〜しなさい」といった命令形ではなく、「〜されるといいですね」「〜してみるのも面白いです」「〜していかれたらどうでしょうか」など、優しい語り口で提案するスタイルが一貫している点じゃ。つまり、文体の問題じゃな。

著者からの回答は元気が出るようなものばかりなのじゃが、単に「です・ます」調(敬体)で書いただけでは、この温かく包み込むような空気は生まれないじゃろう。著者の言葉からは、「相手を丸ごと受け止める → 共感と理解を示す → 自分の知見を惜しみなく提示して一緒に対応を考える」という態度が伝わってくる。
読者は本作を通して有益なアドバイスを得るだけでなく、「悩みや辛さを分かってもらえた」という安心感を得ることじゃろう。そして、その効果において文体が大きく作用しておるというわけじゃな。

今回はカウンセリングにおけるスタンスを例として挙げたが、学ぶべきポイントは、読者に向けて「何を伝えるか」(テーマ・作品内容)と「どのように伝えるか」(文体)とは連関しているということじゃ。文体によって、読者に伝えたいことの伝わり方が変わってくる、ということを忘れてはならんぞ。

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