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執筆虎の巻(「作品講評」篇/第七回 『登場人物のキャラクターを考える』)

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「作品講評7」
 
今回は『依頼人 消えたダイヤモンド』(作・滝本哲也)という作品を取り上げよう。いまいちぱっとしない貧乏探偵が、パリで起こった10億円ダイヤ強奪事件に巻き込まれるという推理小説なのじゃが、主人公をはじめとする個性的な登場人物たちの存在が物語を大いに盛り上げておる。今回は、そうした人物像を描き出す際のポイントを学んでみたい。

まずは主人公の人物像を見てみよう。捜査一課の元刑事で、探偵事務所の所長である黒岩は、夢は大きく口も達者だが現実の事務所は「閑古鳥の巣窟」で、家賃も従業員の賃金も滞納している。10億円強奪のニュースに「私などは中古のタイヤを買うのにも四苦八苦している」とひとりごち、2ヶ月分のつけを集金しにきたそば屋の店員を、「最近、出汁の味がよくなったね」などと適当に褒めて煙に巻く。物語のスケールは次第に大きくなってゆくのじゃが、うだつの上がらない黒岩はどんなに緊迫した場面でもどこか抜けていて、終始マイペースな人物として描かれておる。

実は、こうしたブレない人物を描くことで、読者はキャラクターに興味を持つことができるし、作品を魅力的なものにするのじゃ。人間の個性は、体つきや顔貌、身に付けているもの、話し方、仕草、家族構成、行動パターンなど様々な要素によって特徴づけられる。よって、作品を書き始める前に人物像をしっかり作り込んでおくことと、その人物像を会話文や描写によって表現することが重要なのじゃ。

本作では、黒岩以外にも印象的なキャラクターが描かれておるぞ。「なあに、わたしが嘘をついているって言うの、あなた。えっ?」と憤るのは、猫探しを手伝ってくれたちょっとおせっかいな「おばはん」、「だって報告があるでしょ。だから来たんですう」と媚びるような喋り方をするのは、若くて間抜けな事務員。人物イメージが明確であれば、「こういう人物は、こういった喋り方をするだろう」と想像力を働かせて描くこともできるじゃろう。本作については、探偵としての腕の見せ所である場面でも、「なんなんだこの展開は」と最後までおいてけぼりを食う黒岩というキャラクターがなければ、物語の面白味は半減していたと言っても良い。魅力的な人物を活き活きと描き出せるか否かは、作品の成否を分ける重要なポイントということを忘れてはならんぞ。

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